伊坂幸太郎×武田こうじ 重力ピエロ対談

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こんにちは。武田こうじです。
このサイトで『コトバの旅』という連載を、書いています。

今回は、その特別編として、作家・伊坂幸太郎さんとの対談を掲載したいと思います。

この対談は、映画『重力ピエロ』の公開に合わせて、企画されたものです。
ただ、ファンの方は、知っていると思いますが、伊坂さんは、こうした対談や、インタビューなどに、あまり積極的な方ではありません。

また、僕に関して言えば、映画となーんにも関係ありません。
でも、伊坂さんと友人ということで、指名を受けました。

なので、いろいろ悩みましたが、やはり『重力ピエロ』ファンとして、一人でも、多くの方に映画や、本に触れてもらえたらと思い、こうして実現しました。

いつものことですが、伊坂さんとお話をするのは、本当に楽しい時間です。
この対談も、いろいろなことを話ました。
盛り上がった分、まとめるのは大変でしたが(笑)、読んでいただけたらと思います。
最初に、『重力ピエロ』という作品について、訊いてみました。
武田 伊坂さんにとって、『重力ピエロ』って、どんな作品ですか?

伊坂 『重力ピエロ』は、一番思い入れのある作品なんですよね。

武田 読んでみると、そうなのかなぁ、と思って。なんか、ほかの作品と違いますよね。

伊坂 自分ではよく分からない部分も結構あるんですけど。

武田 いろんなものが詰まってるっていうか。

伊坂 とにかく、あれを書いている時は、いろんな意味で一生懸命だったんですよね。「こういうお話が書きたい」という意思表明というか。だから、映画化自体、はじめは、すごく嫌だったんですよ。映画化も難しいと思ったし、でも、完成して、観たら、良くて、失礼な言い方かもしれませんが、ビックリしました。

武田 先日、映画を観に行った時に、映画館に『重力ピエロ』のポスターがあって、そこに伊坂さんのコメントがあって。「とても思い入れがある」ということが書いてあって。やっぱり、そういう作品は、いろいろ考えちゃいますよね。

重力ピエロ ポスター

伊坂 そうなんですよね。ただ、プロデューサーさんがとても誠実に対応してくれて、それが本当に嬉しかったです。たとえば、最初の段階から、とにかく、「温度を下げてください」ってお願いしてたんですよ。ただの家族の人情話で、泣ける話になるのが怖かったので、そういうお話ではないんです、って話をして。しかも、分かりやすい映画も苦手だったのでそういうことをお話したんですけど、それを真面目に聞いてくれて、いろいろ考慮してくれたんです。だから、分かりづらさも残っている映画で、とても響くものがありました。

武田 この兄弟、悪いことしてるじゃないですか。でも、それが正しいことのように、思えてきたり。良いと悪いの間にある灰色の部分を、考えるというか。それは、わかりにくいことだけど、大切なことだと思います。

伊坂 単純ないい話になっちゃうのは、苦手なんですよね。たとえば、狂った殺人犯なんだけど、良い人なんじゃないか、と思えたり、おかしい、おかしいって言ってるけど、みんなが共感したりできるようにしたいんですよね。
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