
輪王寺(りんのうじ)は室町時代の嘉吉(かきつ)元(1441)年、伊達氏11代持宗(もちむね)によって、福島の伊達郡梁川(やながわ)に建立されました。のちに伊達家が居城を移すのに従い、西山・米沢・会津若松・米沢・岩出山を経て、慶長7(1602)年、現在の青葉区北山に移ってきました。
元禄4(1691)年、仙台藩四代藩主伊達綱村公のときに仏殿(ぶつでん)・客殿(きゃくでん)などが整備され、この山門も、この時に建立されたものと見られています。明治の北山大火では参道入口にあるこの山門だけが残りました。現在の本堂は大正4(1915)年に再建されたものです。
山門は三間一戸(さんけんいっこ)の八脚門(はっきゃくもん)で、切妻造本瓦葺(きりづまづくりほんかわらぶき)です。12本の柱はいずれも円柱で、棟の左右に鯱(しゃち)が載り、山門左右に仁王像(におうぞう)が安置されています。江戸時代中期の堅実な手法を伝えている門として、仙台市有形文化財に指定されています。