
太白区茂ヶ崎(もがさき)4丁目地内、現国道286号線から茂ヶ崎、通称大年寺山(だいねんじやま)へ石段をやや登ったところの平場にあるのが大年寺惣門です。この石段は大年寺に登る石段でした。
大年寺は元禄10(1697)年に仙台藩四代藩主伊達綱村公が開いた黄檗宗(おうばくしゅう)の禅寺です。綱村公以降の霊廟(れいびょう)を司る一門格として有数の大寺院でしたが、明治維新後に取り壊されて、この惣門(そうもん)が唯一の建築遺構です。現在ある大年寺は新しいものです。
棟札(むなふだ)によると、創建は五代藩主伊達吉村公の享保初期頃と考えられます。切妻造本瓦葺(きりづまづくりほんかわらぶき)で、裏側の控柱(ひかえばしら)の上に屋根がある高麗門(こうらいもん)の形式です。本柱の両脇にも支柱を建てて屋根をのせ、全部で5つの屋根を持つ複雑な外観となっています。「東桑法窟(とうそうほうくつ)」の扁額(へんがく)が懸けられています。
江戸時代中期の独特な外観を持つ黄檗宗(おうばくしゅう)の門で、仙台市指定有形文化財となっています。