七北田川(ななきたがわ)南岸の段丘上に所在する賀茂神社は、並んで建つ下賀茂(しもがも)神社(向かって右側)と上賀茂(かみがも)神社の二社からなっています。仙台藩四代藩主伊達綱村公が塩釜神社境内にあった糺の宮(ただすのみや)(下賀茂神社)を現在地に移し、さらに上賀茂神社を勧請し、元禄9(1696)年に下賀茂神社が、元禄10(1697)年に上賀茂神社が遷宮されました。二社とも一間社流造(いっけんしゃながれづくり)の朱塗りで、屋根は茅葺箱棟造(かやぶきはこむねづくり)、三方に縁(えん)が巡り、前面には向拝(こうはい)が付いています。向拝にある蟇股(かえるまた)彫刻は下賀茂神社が雌鳥で、上賀茂神社が雄鶏となっています。
本殿二社にはそれぞれ棟札(むなふだ)が残り、本殿・棟札(附指定)とも宮城県指定重要文化財に指定されています。また境内には宮城県指定天然記念物になっているイロハモミジ・タラヨウ、仙台市指定天然記念物のアラカシもあります。