生出森八幡神社は、源頼朝の奥州の役に際して功労のあった河村秀清(かわむらひできよ)が領地を与えられ、八幡宮を勧請(かんじょう)したことに始まるとされています。茂庭(もにわ)村の中心となるこの神社は太白山(たいはくさん)中腹に文禄3(1594)年に再興されました。その後、その里宮(さとみや)が茂庭村の西端の現在地に建てられ、天明3(1783)年に正式な宮として藩の許可を受けました。
生出森八幡神社里宮は仙台市登録有形文化財に指定されており、その本殿は入母屋造(いりもやづくり)、銅板葺(どうばんぶき)、3間×2間に、1間の向拝(こうはい)が付き、江戸時代後期の建築と考えられています。境内にある手水鉢(ちょうずばち)には文化10(1813)年、石灯籠(いしどうろう)には文化15(1818)年と刻まれており、建物の修復時期と関連があるのかも知れません。
北西方向の太白山中腹にある生出森八幡神社の本宮(ほんぐう)は「里宮(さとみや)」に対して「岳(嶽)宮(たけみや)」「山宮(やまみや)」と呼ばれます。