善応寺は、元禄10(1697)年仙台藩四代藩主伊達綱村公の開基で、松島瑞巌寺(ずいがんじ)の通玄禅師(つうげんぜんじ)が開山して聖徳寺(しょうとくじ)として建立したのが始まりとされています。綱村公の父、三代藩主伊達綱宗公の死後、経ヶ峯(きょうがみね)に造った廟(びょう)「善応殿(ぜんのうでん)」にちなんで善応寺と改名し、綱宗公の菩提寺としました。
境内北東奥の高台にある開山堂(かいざんどう)は松島瑞巌寺百三世通玄禅師の位牌と像を祀る一間四方の宝形造棧瓦葺(ほうぎょうづくりさんがわらぶき)で、内部奥に墓石、その上に厨子(ずし)があり、通玄禅師の木像が納められています。厨子の上には綱村筆の「鶏足(けいそく)」と書かれた扁額(へんがく)があります。宝永元(1704)年の建築で、元々は茅葺(かやぶき)でした。仙台市指定有形文化財に指定されています。
善応寺本堂の前には「燕沢の碑」または「蒙古の碑」と称される中世の板碑(いたび)、そして善応寺を取り囲む丘陵斜面には7から8世紀に造営されたと考えられている横穴墓群(仙台市指定史跡)があることでも知られています。