特集
Featureコロナ禍で自由に旅行ができない状況ですが、仙台の伝統工芸の工房巡りをオンラインでお楽しみいただき、新型コロナウイルスが収束した際には、匠の技・逸品に触れに仙台の工房へもお立ち寄りください。
訪れた土地の風景に親しみ、人と出会い、文化や歴史にふれる。それが旅の醍醐味です。ここ仙台に来たら、ぜひふれていただきたいのが、職人さんたちの手によって受け継がれてきた「伝統の技」です。
仙台藩祖伊達政宗公が愛し、振興したさまざまな文化が、多くの伝統工芸品としてこの地に息づいており、お土産としても喜ばれる銘品です。
そこで今回は、国・県の伝統的工芸品に指定される銘品を制作する仙台箪笥協同組合(仙台箪笥)、平賀こけし店(作並こけし)、堤焼乾馬窯(堤焼)から、独自の技術や想いと共に受け継いだ品々をご紹介します。
仙台箪笥は欅の木目が浮かび上がる木地呂塗りに、豪華な鉄の飾り金具が特徴で、指物・漆塗り・金具の3つの熟練した職人技によって作られます。
「仙台箪笥独特の良さを後世に残し、もっと世界の人たちに知ってもらいたい」という想いから、仙台箪笥協同組合が創設したギャラリー「仙台箪笥歴史工芸館」。ここでは、仙台藩の地場産業として江戸時代末期に生まれ、生活様式の変化や流行を受け止めつつ変化してきた時代別の仙台箪笥を見ることができます。これまでの「イメージ」にとどまらない仙台箪笥の可能性に出会える場所です。
●取材対応してくださった方
仙台箪笥協同組合 専務理事 岡田 和彦さん
仙台箪笥協同組合 事務局 湯目 吏吉也さん
清流広瀬川にかかる作並橋近くに、作並こけしの工房と販売店「平賀こけし店」はあります。愛らしく優しい面差しに、菊の花が描かれた細めの胴が特徴で、子どもが握りやすい太さに仕上げられています。江戸時代末期につくり始められた伝統こけしですが、近年、コロンとした手のひらサイズも仲間に加わりました。仙台藩祖伊達政宗公のこけしや、季節を象徴する柄を施したこけしなど、現代のニーズに応えるデザインも多数。色や形は変化しても、「癒し」を与えてくれる存在であることに変わりはありません。
●取材対応してくださった方
平賀こけし店 8代目 平賀 輝幸さん
〜東北の風土や人に育てられた清楚で可憐な「こけし」の魅力〜
仙台市青葉区堤町が発祥といわれる堤焼。その伝統を継承する堤焼乾馬窯は現在、工房と窯、ギャラリーを自然に恵まれた仙台市泉区丸田沢に移しています。300年の伝統を受け継ぐ堤焼は、黒と白の釉薬を豪快に流しかけた「なまこ釉」が特徴。粘土をはじめとする材料は、主に地元で採れるものを使用しています。工房の敷地内にある趣のあるギャラリーで、時間と手間をかけて完成した作品を実際に手に取り、そのストーリーに耳を傾けてみてください。きっと生活の中で使いたくなる一品に出会えるはずです。
●取材対応してくださった方
堤焼乾馬窯 5代目 針生 乾馬さん
堤焼乾馬窯 針生 和馬さん