仙台には「宮城伝統こけし」や「仙台箪笥」いった経済産業大臣指定・宮城県知事指定の伝統的工芸品が11品目あります。藩祖伊達政宗公の時代から続く、長い歴史と伝統に育まれた精緻な匠の技で作られた逸品を紹介します。
江戸時代末期、東北の温泉地で子供の土産品として生まれたと伝えられています。こけしの魅力は簡略化された造形美と清楚で可憐な姿にあり、独特の形と模様が今に受け継がれています。
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仙台箪笥は「指物」「漆塗り」「金具」の職人の合作によって生み出されます。まさに3つの熟練した技が融合して創り出す。木地は欅や栗等で、打ち出しの錺金具が特徴、塗りは木目が見える木地呂塗りで横型の一本物が仙台箪笥の基本形です。
江戸末期から続く乾馬窯が300年の歴史を守り続けています。堤焼の特徴は「なまこ釉」と呼ばれる黒と白の釉薬を同時に流し掛ける技法により生じる味わい深い濃淡の斑紋や流紋にあります。
炭化した埋木を加工し、拭き漆の技法で仕上げた仙台独特の伝統工芸品です。
東の堤、西の伏見と評され、土人形の二大源流と言われて、歌舞伎や浮世絵風の人形等を得意とし、日本土人形の中で彩色の優美さ、洗練された形の良さ等で、名声を博し、東北全体の土人形や張子人形に多大な影響を与えました。
天保年間、伊達藩士 松川豊之進が創始。顔の周囲を群青色で表し、腹部には、宝船・福の神が施され、まさに「伊達なだるま」。黒面、張子玩具等の製品もあります。
伊達政宗公も愛用された仙台竿。200以上の工程で造り、仕上げられた継ぎ竿です。
仙台平は合資会社仙台平だけで作られる絹織物で、重要無形文化財にも指定されている袴地の最高峰ブランドです。上品な縞柄と、しわがつきにくい堅牢さ、絹独特の光沢と感触の良さが生地の特徴です。
筆職人による精緻な細工の筆です。宮城野萩を軸とする「萩筆」が有名です。
国立東北工芸指導所が特許を取得後、東北工芸製作所が製作しています。木製素地などに塗装を重ねて仕上げ、玉虫の羽根に似た豊麗な色調と光沢を有するため「玉虫塗」の名が生まれています。
堆朱は朱漆を数十回以上塗り重ねた積層漆板に、花鳥・山水など各種の型を彫刻・研磨して仕上げる漆工芸品です。木地の彫刻を能率化するため、型押による技法を取り入れているのが仙台堆朱の特徴です。
仙台・宮城における伝統工芸品の魅力を、質の高い映像や写真を取り入れ、デザイン性を重視した新たな視点から国内外に発信していくウェブサイトとして2013年度~2019年度に、仙台市の「伝統産業高付加価値化支援事業」の一環として制作・開設されました。東日本大震災を乗り越え、伝統を守りながら日々挑戦を続けている仙台・宮城の職人たち。その優れた技や手しごとの素晴らしさを未来へと繋ぎ、伝統工芸品のさらなる魅力を再発見するために作成されました。今回、アーカイブ版として再編集した形で情報をお届けします。